19日欧米メディアが「イスラエルがイランへの反撃に踏み切った」と報道しました。攻撃があったとされたのは複数の核施設があるイラン中部。イラン側は現時点で「即時の報復の計画はない」としていますが…緊張の続く中東情勢、”幕引き”にむかうのでしょうか。
■イスラエルがイランに反撃か イラン報道「核施設被害なし」
日本時間19日に「イスラエルがイランを攻撃した」と、欧米メディアが報じました。
記者
「イスラエルによる反撃の一報がありましたが、テルアビブはこのように街には市民が多く繰り出し平穏です」
イスラエル市民
「イスラエル政府は状況をこれ以上悪化させないよう、最低限必要なことをした」
「イランは攻撃してきたのに、ただ黙ることはできない」
両国をめぐっては4月1日、イスラエルが在シリアのイラン大使館を“攻撃”。それに対し、13~14日にはイランが300を超えるドローンやミサイルで報復。その攻撃から約5日、今回はイスラエルの“反撃”と見られています。
攻撃があったとされたイラン中部のイスファハン州には、現在は世界遺産の宮殿のほか、複数の核施設がありますが、イラン国営通信はこうした核施設について「被害を受けていない」と報道。
IAEA=国際原子力機関もこれを認め、「状況を注視している」としています。
イランの外相はイスラエルによる反撃が報道される前、「イスラエルが武力行使でイランの主権を侵害した場合、イランは即座に断固とした強力な措置をとる」と、けん制していました。
しかしイランの国営テレビは…
イラン国営テレビ
「イスファハンは平和です。人々は通常通りの生活を送っています」
イラン側は「イスファハン上空で3機のドローンを確認し撃墜した」などと報じています。
一方、イランメディアは「ドローンはイラン国内の複数の場所から発射された」と伝えていて、情報が錯綜しています。
■イスラエルさらなる“応酬”の可能性は “幕引き”に向かう?
上村彩子キャスター:
緊張状態が続いています。今回の動きや意図をどう見たらいいのでしょうか。
中東支局長 増尾聡 記者:
今回の3機のドローン攻撃がイランに対する最初で最後の反撃だとすれば、極めて抑制的な形をとったということができると思います。
ただイスラエルは、イランの核開発の中心地とも言われるイスファハンを攻撃しましたので、“私たちは必要があればいつでも核施設だって狙うことができるんだ”といったメッセージを付け加えることも忘れませんでした。
イスラエルとしては自分たちの能力をしっかりと見せつけながらも、事態がエスカレートしないように、極めて計算した攻撃を取ったというふうに言うことができると思います。
そして、イランも現時点では即時の報復の措置はしないといった情報もありまして、イスラエル、イランともに事態のエスカレートを避けようとしている狙いがあると見られます。
喜入友浩キャスター:
それぞれ戦闘拡大を避けようと動いた可能性があるとするならば、それは一体なぜなのでしょうか?
増尾記者:
やはり、まずイスラエルとしては今ガザ侵攻があり、イランとの全面的な対決・戦闘というのを避けたい狙いがあったというふうに思います。
さらに、やはり今回もアメリカを含めた各国から自制を求めるように強く釘を刺されていましたので、ネタニヤフ氏は今回に関してはそういった声を聞き入れたんだというふうに思います。
一方でイラン側の観点ですけれども、専門家に取材しましたところ、イランとしては、やはりこの攻撃の応酬が続くことによって、今後アメリカがこの戦いに加わってくるといった最悪のシナリオを検討したんじゃないかと。
さらに、イランの今の体制は非常に脆弱でして、こうした混乱が続くとその支持の基盤が悪化してしまうことを避けたかったんだという狙いがあると話していました。
上村キャスター:
ただ、2国間の緊張はこれで解けたと言えるのでしょうか。
増尾記者:
今の段階ではそう言うのは時期尚早だと思います。というのも、イスラエル政権は今のところ、今回の攻撃に関して公式なコメントを出していません。さらに地元メディアは、今後もイスラエルの攻撃に関して自分たちが携わったかどうかというのは表明しないというような報道も出ています。
国内では今回の攻撃について「弱腰だ」という非難も上がっていまして、イスラエルとしては今後の再攻撃の余地を残した、極めて戦略的な作戦をとっているというふうに考えることもできるかと思います。
いずれにせよ、イスラエル、イランが今後どのような発信をしてくるのか、まだまだ予断を許さない状況は続いていきます。
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