マンハント

今までのウーさん映画ではあまり見られなかった新しい要素もある。それは女性キャラクターの描写だ。ウーさん映画と言えば男性同士の熱い友情が主題だった(もちろん『狼 男たちの挽歌・最終章』(89年)のような男女間の関係がメインの映画もあるが)。『マンハント』も福山雅治×チャン・ハンユーによる“男の友情”劇はあるが、それと同じくらいの熱量で、ハ・ジウォンとアンジェルス・ウー演じる女殺し屋コンビの友情が描かれる。ハ・ジウォンの取って付けたような恋愛要素はさておき、2人の“女の友情”は確かに輝いていた。これはウーさんの新境地か、あるいは単にアンジェルス・ウーが自分の娘だから目立たせたかったのか、真相は分からない。ただ、ウーさんは次にハリウッドで女殺し屋の映画を作るらしい。このことを踏まえてみると、本作の“女の友情”はその前哨戦とも思えてくる。セルフ・パロディに見えた数々の要素も、しばらくアクション映画から離れていたウーさんが「こういう感じだっけ?」と感覚を取り戻すための、いわば肩慣らしだったのかもしれない。