1樽悶 ★2019/07/15(月) 23:46:26.30ID:ZRL/jyXX9 検査のために採血を受ける人たち
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 かつては縄文人だけが感染していたという説のある「成人T細胞白血病型ウイルス1型(HTLV-1)」。一時は、母子感染対策が徹底されることで消滅していくのではないかとも言われていましたが、最近の調査では若い世代に広がっていることが分かりました。その理由として、性行為を介しての感染が考えられます。今回は、3年前と今年5月に相次いで公表された二つの調査から、こうした状況を読み解き、さらに現在の問題点や感染防止の重要性を指摘したいと思います。

■「母子感染ではない」感染者が毎年4000人増加か

※省略

■覆された「九州と沖縄で最も多い病気」

 第1次調査には、もう一つ注目すべき点があります。感染者の居住地です。従来HTLV-1は九州(沖縄含む)に最も多いとされていましたが、その定説が覆されました。

 確かに、女性は九州地方で最も多いという結果になりましたが、男性では40〜50代では九州よりも近畿地方に多く、さらに20代では、九州よりも関東・中部東海・近畿に多いことがわかったのです。もはや、HTLV-1は「縄文人の末裔(まつえい)」だけの疾患ではないのです。

 さらに19年5月、「第2次HTLV-1水平感染疫学調査」(第2次調査)が公表されました。

 第1次調査は全国規模でしたが、第2次調査は九州地方でのみ行われています。調査期間は10〜16年で、第1次調査と同じ7年間。調査対象者は約41万人で、これも、第1次調査のうち九州地方の対象者数とほぼ同じ。そして調査期間中に九州地方で新たにHTLV-1に感染したのは、男性124人(第1次調査では61人)、女性105人(同120人)の合計229人でした。

 第2次調査では男性の新規感染者がほぼ倍増し、女性では顕著な変化を認めなかったことになります(女性の感染者数は1割ほど減ってみえますが、実は、女性の調査対象者数も約1割減っており、新たに感染した人の率はほぼ変わっていません)。

 この結果を、研究者らは「AYA世代(15〜30歳ぐらいまでの世代)男性での感染者増加」と表現し、メディアは「九州の若い男性で増加」と報道していますが、ここはもう少し正確に読み解く必要があります。

 まず、第1次調査と合わせて考えると、決して調査が行われた九州だけで増加しているわけではなく、全国的に増加していると考えるべきです。

 また、若い男性間で広がっているのは事実ですが、公表された結果をよくみると、女性でも、1990年代後半に生まれた人の陽性率が、80年代生まれに比べて高くなっています。(第2次調査の資料の11ページに、このことが分かるグラフがあります。)つまり、男性の間ほどではないにせよ、若い女性の間でも感染が広がっていると解釈すべきなのです。

 現在HTLV-1には特効薬があるとは言えず、ワクチンもありません。では早期発見に意味がないのかというと、そんなことはありません。

■「母子感染」と「性感染」の対策強化を

 感染が分かった場合、他人への感染対策として大切なことは主に二つあります。

 一つは「母子感染対策」で、最も重要なのが「母乳での感染を防ぐこと」です。少なくとも出産前には母親がHTLV-1のキャリアかどうかを知っておく必要があり、妊婦健診時に無料で検査を実施する地域が増えてきています。一方、子宮内での感染や産道感染のリスクもゼロではありませんが、可能性は非常に少ないと考えられています。

 もう一つは「性感染対策」です。一番いいのは、新しいパートナーができれば性的接触を持つ前に、一通りの性感染症のチェックを2人で行うことです。検査項目にHIVやB型肝炎、梅毒などだけでなくHTLV-1も加えるのです。どちらかに感染が見つかった場合、感染予防にはコンドームの使用が有効です。出産を希望されるなら、かかりつけ医または産科医に相談が必要です。

 ちなみに、このように「パートナーができれば性感染症の検査をする」という“マナー”は、日本ではさほど普及していませんが、外国人(特に西洋人)の間では一般的なようで、太融寺町谷口医院にもこういった検査を目的に受診する外国人のカップルは少なくありません。こういった検査は「ブライダルチェック」と呼ばれますが、これは和製英語です。ただ、この話を外国人にすると「意味は十分に理解できる」と言われます。(続きはソース)

毎日新聞 2019年7月14日
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20190709/med/00m/100/014000c?inb=ra

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