曽利文彦といえばそもそもがVFXマン出身の監督だけにデジタル技術を駆使した作風を特徴としているが、本作はそのようなケレンは極力抑え、かなり本格的な時代劇に仕上げているといった印象を受けた。
時代劇といえばやはり見せ場は殺陣…
主役の綾瀬はるかはもちろん初時代劇だけに殺陣の経験はなく、その点での弱さはあるのだが、スピーディーなカット割とスローモーションを効果的に併用し、飛び散る血しぶきをCGで補完するなど、その弱点を演出でカバーしてそれなりに迫力ある殺陣を造形してる。
このリメイク版「ICHI」の大きな特徴は主人公市がまだまだ発展途上の存在だという事。
過去、勝新太郎、北野武が演じた座頭市のように超人的な強さではなく、剣の技術の面においても精神面においてもまだまだ未熟でもろさもある…。
そんな市がある出会いを通して人間として、ひとりの女として成長していく様が情感たっぷりに描かれていく訳。
市を演じる綾瀬はるかがムチャクチャきれいで魅力的に撮られている事も特筆しておく。「僕の彼女はサイボーグ」の時も非常にきれいに撮られていたのだが、今回はそれ以上。
綾瀬はるかってスタッフにほんとに愛されてる女優なんだろうな…
「ICHI」は綾瀬はるかファンだけではなく、普通の時代劇ファンが観ても充分楽しめる映画でしたよ。

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