出典:EPGの番組情報
美の壺「日本の筆、はけ、ブラシ」[字]
日本の筆・はけ・ブラシ。世界が注目する「隠れメイドインジャパン」の優れもの!化粧や表具、文化財、靴を美しくする縁の下の力持ちの機能美だけではない艶やかな魅力。
詳細情報
番組内容
日本の筆・はけ・ブラシの奥深き世界▽ミス・ユニバース・ジャパンのメイクを手掛けるお坊さんメイクアップアーティストが愛用する広島の熊野筆は「かわいさ」が要▽将軍徳川吉宗のお墨付き!はけとブラシの老舗の品数はなんと800!驚くべき種類と用途▽繊細な毛先に見る江戸はけ作りの技▽今ブームの靴磨き・手植え靴ブラシの工房へ▽世界が注目する「隠れメイドインジャパン」は美しき暮らしのパートナー<File545>
出演者
【出演】草刈正雄,【語り】木村多江ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
テキストマイニング結果
ワードクラウド
キーワード出現数ベスト20
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- ツボ
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- 工房
- 江戸
- 仕事
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
♬~
よし… よし いいね これで。
あ~ さて…。
草刈さん 模様替えですか?
いやね おうち時間 使ってね 障子の
張り替えでもしたら どうです?ってね。
あ~ 奥様に言われた…。
そうそうそう でね…。
障子紙でしょう。 それに糊。 ねっ。
あれ?
どうしたんですか?
あれ? 刷毛が…。
あれ? 刷毛どうしたっけ?
和紙に糊を塗っていく
昔ながらの日本の刷毛。
今 ひそかに人気の靴ブラシ。
メークには欠かせない化粧筆。
日本の筆 刷毛 ブラシ。
用途に応じた大きさ 毛 形など
実に たくさんの種類があること
ご存じですか?
職人のこだわりが生み出す道具は
今や世界が憧れる
メード・イン・ジャパンの すぐれもの。
巧みな技が隠された
シンプルで美しき筆 刷毛 ブラシ。
その奥深き世界をご案内いたしましょう。
東京都内 室町時代から続く
由緒あるお寺です。
(読経)
お勤めをするのは西村宏堂さん。
実は この方
世界的なメークアップアーティスト。
ミス・ユニバース世界大会などで
各国の代表を美しくメークしてきました。
そんな西村さんの仕事に
欠かせないものが「化粧筆」。
西村さんのメークを見せてもらいました。
モデルは…。
2020ミス・ユニバース日本代表の
杤木 愛シャ 暖望さん。
細かいところをメークするので
リスの この小さい毛を使ってます。
まずは目 アイメークから。
メークをする部分 化粧品の種類で
筆を細かく使い分けていきます。
アイメークが終わってから
ファンデーション。
自分の中で道理が通っていれば
順番は関係ない。 それが西村流です。
チークはちょっと大きめのブラシを使って
色をちょっと混ぜようかなと思います。
化粧筆を自在に操ったメークが完成です。
西村さんには
お気に入りの化粧筆があります。
それは日本の「熊野筆」。
ギコギコやってたりすると…
「筆 はけ ブラシ」今日 一つ目のツボは…
江戸時代から続く 筆作りの町です。
創業1971年の化粧筆専門の工房。
熊野の筆作りの技と えりすぐりの
素材から 化粧筆を製作しています。
希少価値のあるリスやヤギなど
厳選された動物の毛が使われています。
ここでは筆先となる「穂先」を
整えていきます。
毛先のないものや傷んだ毛を
小刀で抜き取る「逆毛取り」。
化粧筆の要は 何と言っても「穂先」です。
この工房の創業者 竹森鉄舟さんが
穂先の仕上げを担います。
人形の顔を描く「面相筆」を作る家に生まれ
父から その技を受け継ぎました。
鉄舟さんが行っているのは
「コマ入れ」という作業。
逆毛取りを終えた穂先を
中をくりぬいた「コマ」に入れ
丸い形にしていきます。
これが コマ。
いわば穂先の「木型」です。
こうして コマの中で丸くした穂先は
それぞれが微妙に違う形をしています。
ここで熟練の技の出番。
「揉み出し」です。
手のひらで揉み
穂先の形を作っていくのです。
揉む場所を変えるだけで
穂先の形を自由に変えられるのだとか。
揉む場所を変えるだけで
形が まるで変わりました。
手のひらの感覚を頼りに
穂先を整えていく。 職人技です。
「かわいい」 大事です。
繊細な肌触りを生み出す
こだわりの技です。
厳選した素材を惜しみなく使い
技を極めた
鉄舟さんの手による究極の化粧筆です。
え~っとね 確か この中に
入ってたとは思うんですけどね。
刷毛ですか?
えっ? ええ ええ。
確かにね
この中に入ってたと思うんですよ。
おっ あった あった あった。
これこれ これですよ! うん。
ここに刷毛とブラシの老舗があります。
いらっしゃいませ。
店で扱っている刷毛とブラシは
およそ800種という専門店です。
十二代目当主の濱田捷利さんです。
店の創業は なんと江戸中期。
八代将軍 吉宗に屋号を賜ったのだとか。
用途に合わせて作られ
使われてきた江戸の刷毛。
庶民から大奥まで 日常の
さまざまな場面で使われていました。
これは漆を塗るための「漆刷毛」。
人の髪の毛 それも 30年以上
乾燥させた
日本女性の髪の毛が最適だと
言われていました。
「江戸刷毛」と名付けられた
刷毛もあります。
掛け軸や屏風 ふすまや障子などの表具に
糊を塗る「糊刷毛」です。
江戸享保年間に書かれた「万金産業袋」。
日用品などのよしあしを
解説したものです。 その中に…。
当時の暮らしには
欠かせないものだったんですね。
江戸刷毛とは どういうものか。
老舗の表具師を訪ねました。
稲崎さんのご先祖は 江戸城への出入りと
名字帯刀を許された表具師の筆頭格。
表具師が糊を塗るのに使う 糊刷毛です。
表具に使う刷毛は他にも
たくさんあります。
貼った和紙をしっかり なでつける
「なぜ刷毛」。
こちらは「打ち刷毛」。
たたくことで和紙の繊維が絡まり
強く貼り付くといいます。
細かいところに糊をつける
「切り継ぎ刷毛」。
よい江戸刷毛とは?
わずか この さっき チョンチョンチョンと
つけましたけれども
ミリでいけば3ミり
私たちの言い方でいくと約1分を
つけていくわけですけれども…
適当なコシが。 強すぎてもいけないし
弱すぎてもいけないという
コシの強さというのが
一番大事になってきますよね。
毛先に糊をつけた時 一直線にそろうのが
よい江戸刷毛。
今日 二つ目のツボは…
今も変わらぬ技で 江戸刷毛を作り続ける
親子がいます。
田中重己さん。 この道64年。
息子の田中宏平さん。
江戸の表具師が使った当時のままの姿で
今も使われる江戸刷毛。
田中さんが作る刷毛は
国宝の修復にも使われています。
その国宝とは 安土桃山時代の絵師
狩野永徳による檜図屏風。
経年劣化によって 絵の具が剥落したため
18か月かけて修復が行われました。
その時に使われたのが
田中さんの刷毛でした。
これが田中さんの作った糊刷毛。
刷毛50本分に使う毛の下処理だけで
およそ2か月もかかります。
糊刷毛に使う毛は 馬の尻尾。
「先揃え」。 毛先を揃える作業です。
右手で毛先を持ち
丁寧に引き出し 揃えていきます。
刷毛にとって 毛先は命。
さらに逆毛や毛先のないものを
小刀で取り除く「すれ取り」を行います。
毛先を一直線に揃えることで
糊を均等に 和紙につけることが
できるのです。
まさに刷毛作りの真骨頂。
そして仕上げ。
檜の板を三味線の糸で とじていきます。
余分なものは一切なく ただただ
仕事をするためだけに作られた姿。
丁寧な仕事が生み出した
江戸のよきものが ここにありました。
(鼻歌)
ん?
あ?
えっ どうしたんですか?
えっ これ… 下の段からかな?
それとも これ 上の段から?
え? これ どっちからだっけね…。
大阪。 かつて船場といわれた辺り。
靴ブラシがブームの今 マニアにとって
垂ぜんのお店があります。
2018年「靴磨き日本選手権」で優勝した
石見さんのお店。
プロの靴磨きを見せてもらいました。
まず馬毛のブラシで
丁寧に汚れを取ります。
表面に残る古い油や
ろうを取り除いたあと
クリームを塗っていきます。
次に使うのが 豚毛のブラシ。
コシがあって硬い豚毛は
クリームを均一に伸ばし
靴を輝かせることができます。
修業中 石見さんは3年で
実に2万足を超える靴を磨いたとか。
最後に使うブラシがヤギ。
ワックスを 少しの水を含ませた
ヤギのブラシで
靴全体に行き渡らせます。
これで終わりです。
一足にかかる時間は 40分から1時間。
つま先は まるで鏡。
石見さんにとって 靴ブラシとは?
靴ブラシ…。
道具は道具ですけど やはり その何か…
今日 三つ目のツボは…
東京・亀戸。 下町の住宅街の奥。
ここは オーダーメードの靴ブラシを作る
工房です。
毛の種類や長さ 持ち手の大きさや形
色など
使う人の注文に応じて組み合わせます。
寺沢さんが作るブラシの毛は
なんと 全て手植え。
先代の父から受け継いだ
「手植えブラシ」の技法です。
大切なことの一つが 毛を植える穴の形。
表は大きく 裏は小さく
穴を開けていきます。
大きい穴から二つ折りにした毛の束を入れ
裏から留めるためです。
こうすることで 毛が抜けにくくなります。
使うのは専用の工具。
そして手植え。
小さな穴のほうから
ステンレスの針金を通し
指で毛の束をつまみ 針金で引っかけ
引っ張って留める。
はかりを使うわけではなく
寺沢さんの指先は
正確に同じ量の毛を植えていきます。
最後に毛先を揃えます。
はい 出来上がりました。
ブラシの毛先が まるで木の板から
自然に生えてきたようです。
靴の輝きを引き立てる
極上のパートナー。
今日も紳士の足元を彩ります。
きれいに貼れましたね。
そうでしょう?
我ながら よくできました。
あれ?
次は靴磨きですね。
ええ 何でも磨きますよ。
しかし これ…。
これ どう磨こう?
さあ…。
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